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【対談】春(SPRING IN THE HELL)×ミケ(我が為)、お互いに思い合う大切な人と臨む共同主催『蒼い春』

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2月16日に、SPRING IN THE HELL×我が為共同主催『蒼い春』が吉祥寺SHUFFLEにて開催される。

DOG inTheパラレルワールドオーケストラのヴォーカリストでもある春が立ち上げたソロプロジェクト“SPRING IN THE HELL”と、ミケによるソロプロジェクト“我が為”が“蒼い春”という名のもとで1つのアクションを起こすことになった経緯を踏まえつつ、春とミケの対談を行った。

2人の関係を表すときにまず思い浮かぶのは、“元レーベルメイト”であるということだろう。しかし、あらゆるきっかけを機にお互いを深く理解するようになったという春とミケの間には、我々が想像している以上に信頼関係が築かれていたようだ。

今回開催される共同主催は、1部がJOINT LIVE、2部が2MAN LIVEとなっており、「音楽を通して楽しいことをやろう」というシンプルなことを“蒼い春”、つまり“青春”に準えた形で行うライブになるとのこと。

さっそく、ヴォーカリストとして成熟した感性を持ちながら、目下青春を謳歌する2人の対談をお届けしよう。


――今回の共同主催が行われるきっかけは、どういったことだったんでしょう?

:まず、僕がソロプロジェクトとしてSPRING IN THE HELL(以下:SITH)を始めるにあたって、DOG(inTheパラレルワールドオーケストラ)以外にもう1つ音楽をやろうと活動の振れ幅を考えたときに、例えばバンドをやる、完全に1人でやるっていう方法がある中で、“誰かと一緒にやる”っていうのをすごく大事にしていたところがあったんです。で、将来的にSITHで“誰か”と一緒に歌うことを想定した曲を作りたいってなったときに「じゃあ誰と歌いたいの?」ってなったら、「我が為と一緒に歌いたいな」みたいな。まったく許可も取ってなかったですけどね(笑)。それが、そもそものスタート地点だったと思うんですよ。

――SITHの活動において“誰かと一緒に歌うこと”が構想の1つとしてあったのは初耳でした。

:SITHの1st ワンマンをやるにあたって曲を10~15曲ぐらいプリプロをしていた中で、曲の振れ幅を考えていたときに構想として浮かんだことの1つでもあって、それが実現に向かって行くような感じ。SITHで作曲をしているのが村国(貴裕)なんですけど、彼と作曲をしながら話していた中でも「ミケと歌いたい」っていうことに関してはかなり具体的に話が進んでた、勝手にね(笑)。なんなら、僕よりも先にミケに曲が送られてた気がする。

ミケ:そうだね、俺の方が先にもらってるかな。それが『蒼い春』っていう曲で、今春が言ってたように俺と一緒に歌うことを思い描いて作ってくれた曲なんですけど。それのもっと前段階の話で言うと、DOGが活休してる間にも春とは電話で話したりもしてて、そのときにDOGが活動再開した後にソロをやろうと思ってるみたいなことを話してくれたんですよね。「そのときは我が為と一緒に何かやろうよ」って言ってくれていたんですけど、今回の共同主催はその約束の一歩目でもあって、そのライブのタイトルが曲のタイトルそのままに『蒼い春』になってる感じですね。だからこれまでのSITHのライブは、俺、結構観に行ってるんですよ。

:ライブは何本か、何かしら理由をつけてやってるので(笑)。

ミケ:そのライブに毎回誘ってくれるんですけど、春が誘ってくれるっていうことはたぶん俺に見せたいとか、俺に訴えかけたいものがあるからなんだろうなと思っていて。実際、俺的にも結構響くものがあったんですよね。ライブのときにSITHのメンバーも紹介してくれて、その中でもムラくん(村国貴裕)は最初に仲良くなったメンバーなんです。それもあって、『蒼い春』のデモができたときに「春くんとミケくんで歌う曲できたよ」って俺に送ってくれたっていう。

:『蒼い春』って、曲の尺としてもボリューミーな曲なんですけど、デモの段階では完成形よりも長かったらしくて。実は僕、そのバージョン聴いたことがないんだよね。

ミケ:イントロのイントロみたいなのもあった(笑)。俺は、普段から自分のソロの曲に対しても「こうしたい」って作曲者に結構言うタイプなんですけど、ムラくんにも最初の時点で「ちょっと長くない?」って、俺が先に口出してるみたいなのはありました(笑)。

:そんな曲ありきで、「いつにする?どこでやる?何やる?」みたいなことを2人でずっと話してた感じですかね。

――なるほど……正直ここに至るまでのプロセスが思った以上に濃厚で、いわゆる元レーベルメイトのお2人が「何か一緒にやろうぜ!」と始めた程度のものではないということはわかりました。

:そう。なんなら、僕とミケが仲良いことがあんまり知られてないまである。まぁ、最近はDOGと我が為が一緒に何かやることも多いし、「仲良いんだろうな~」って思われてるくらいで。でも、今こうしてることがすごく良いことな気がする。

――おっしゃる通り、関係値の深さは思った以上でした。ライトな仲の良さではないというか。

:今が一番お互いに自分の話をしてるイメージですね。昨日も、1時間近く電話してましたよ。「これ、どう思う?」とか、そういう話。

ミケ:お互いに事務所から独立して、立場的に“引っ張る”ところにいると思うんですよ。俺はソロだし、春も普段からバンドでそういう立場にいると思うけど、その引っ張り方も自主で活動するにあたってどんどん変わってきて、同じ立場で話せることとか相談できることもあるんで、そういう時間が増えたかもしれないですね。

:ミケって、驚異的に人の意見を聞かないんですよ。

ミケ:あははは!

:俺の話は割と聞いてくれる方ですけど、周りの人の話はよっぽど聞かんのじゃないかと思っていて。まぁ、ミケも僕に言われたくないとは思うけど(笑)。

――もしや、似た者同士だった!?

:みんな、プライド高いからね~(笑)。でも、お互いがある程度認め合ってるからお互いの言うことを聞くんだろうなと思う。だからミケは、パブリックイメージだとだいぶ猫被ってると思うね!

――“ミケ”というだけに……。

ミケ:あははは!

――でも、ミケさんの我の強さは好意的に捉えることもできて、ザ・ヴォーカル気質を感じさせる部分でもありますけれどね。

:うん、よっぽどそうだと思うな。ソロになってなおさらかも、責任感っていう意味でもそうだし。

ミケ:確かに春と話す内容もお互いのフェーズが昔と今とでは違うんで、例えば夢だけじゃなくて現実的な部分を話すことも増えましたけど、熱量に関してはそんなに昔と変わらないんじゃないかな? ふざけた話もするし。

:うん。真面目な話というか、深く突っ込んだ話をするのは昔からあんまり変わらないかも。例えば、当時僕らには共通のプロデューサーがいて、その頃からミケは自己主張をしっかりするタイプだったから、プロデューサーとの意見のぶつけ合いを割と僕は身近で見ていた方だけど……。

ミケ:俺、人付き合いの中で相手に自分の意見をぶつけて対立しちゃうことが結構あるんですよ。それに対して春は人付き合いの仕方が上手いなって思う部分があったから、よく相談したりもしてましたね。

:ミケは、相手にメッチャ興味を抱くタイプなんですよ。相手と同調することや理解度を深めることでどうするかって考えるかもしれないけど、僕は割と言うこと聞かせるじゃないけど、自分の意見がどれだけ純粋に通ったかとか、どれだけ曲げなかったかっていう方がよっぽど重要で、そこに違いはあるかもしれない。だから、お互いがお互いを羨ましがってるような感じはずっとあったと思う。

――羨ましがれるというのは、お互いの人間性をしっかり共有できる関係にあるからこそだと思いますし、今もそうであるということなんでしょうね。

:正直、レジレコ(Resistar Records)16人の中でもかなり上位でちゃんと絆を形成できた仲間の1人だと思ってます。

ミケ:当時は同じレーベルにいる3バンドを“ぶつける”見せ方をすることが多かったと思うんですよね。その中でヴォーカル同士もバチバチしたものがあった中で、春が比較的大人なポジションで周りを見ながら回してくれるみたいなところがあって、俺は春のそういうところに結構甘えてたりもしてたし、正直今でもそうかな。そこは尊敬できるし、困ったときは頼らせてもらってる感じでもありますね。

:なんか、ヴィジュアル系にもこういう感じの関係性ってあるんだなと思っていて。ヴィジュアル系にはあんまりないイメージというか。

――ある種、ビジネスパートナーに近いものがあるかもしれない。

:あと、キャリアもあるかも。2人とも、「音楽で飯食おう」って腹を括り切ってる状態だから。括ってる状態と括り切ってる状態は違うと思うし、実際に弱音は出ない。もっとよくするためにどうするかみたいな話しか出ないから、自分の深いところとか自分の困ってるとことかも話しやすいんですよ。

――では、SITHと我が為とお2人が“ソロプロジェクト”ということで共演するところを踏まえて、いちヴォーカリストとしてお互いにどんな思いを抱いているのかも改めて抑えておきたいなと思うのですが、いかがでしょう?

:本人にも言ってますけど、ミケは生まれ持った才能として、この歌声を持って生まれてきたことがすごいことだと思ってる、ずっと。僕なんかスティッチとか、シャウトすればバイキンマンと言われ、ちょっと気張って話せばフリーザって言われてね……。

ミケ:あははは!

:でも、皆さんすごく良い声優さんですからね! まぁ、それは置いておいて(笑)。やっぱり宝物のような声を持って生まれてきたことがずっと羨ましいし、しかも宝の持ち腐れになってない。自分の人生に才能がちゃんと重なる道を選んでるからきっと自信もあるんだろうし、そういうところが昔から素敵だと思ってる。それに、確実に練習してるね! 偉い! ちゃんと仕込んできますよこの人は!

ミケ:今の春の話を聞いていて、自分もないものねだりだとは思いつつ、春には「いいな」と思う部分はいっぱいあって。やっぱりヴィジュアル系だから8~9割ぐらいのヴォーカルがシャウトとかデスヴォイスをやってる中で、はじめは自分もやらなきゃ同じ土俵に立てないみたいな部分があったんですよ。実際、俺は途中でそれを切り捨てたんですけど、春はシャウトとかデスヴォイスを上手く曲に入れながらかっこよくできてるイメージがあって、そういうところでも「いいな」と思ってた部分もあるし。あと、なにより春がSITHを始めて観に行ったときに、DOGとの差別化がしっかりできてて結構嫉妬したんですよね。俺の中では我が為が自分のやりたいことだから、伝え方とか曲のメロディーの取り方の部分でBlu-BiLLioNとある程度繋がってる部分はあるんです。だから、俺の中ではSITHはDOGの変化球なのかなと思って観に行ったんですけど、まったく別物でかっこよかった。「こっちもできるの!?」みたいな(笑)。だから今回の共同企画もメッチャ楽しみなんですよ、純粋に「ライバルに負けたくない」っていう部分も含めて。

――今、ミケさんからSITHとDOGの差別化という話もありましたけれど、春さんはそもそもSITHではどんな自分を出したかったんでしょうか?

:大前提として本バンドとソロっていう振り分け方でいいんですけど、自分の世界観で話させてもらうと、“餅は餅屋”っていうところで僕はバンドマンだからバンドしかできない。だから、SITHはバンドをもう1個組んだような感覚でメンバーにも接していて。その中でDOGと大きく違うのは、僕が作曲をしないというところ。だから、(作曲をする)相方によってカラーの変わりやすさがあると思う。DOGは自分や誰かのために歌っているし、誰かに聴いてほしくて曲を作って歌詞を書いて歌ってる。SITHに関しては、最初から「僕はこういうことをやりたいから力を貸してほしい」っていうことでメンバーを集めたんだけど、そこで自分のためだけにやるというスタンスは一生変えたくないと。

――誰かのため、自分のためという明確な違いがありますね。

:仮に、DOGで自分のため“だけ”に歌っているような音楽があるとしたら、それは僕にとってボツなんです。逆にSITHのもので誰かによく見られたいとか、“他人”を介して何かをしたいっていう気持ちが生まれるんだとしたら、僕にとってそれはボツ。やってることは一緒なんですけど、そこが一番大きな違いかもしれないですね。外に向かってるか、内側に向かってるかということだけが大きく違う。

――それが、ミケさんも仰っていた「こっちもできるの!?」っていう振れ幅に自然と繋がっているんでしょうね。

:たぶんですけど、DOGって初めは今言ったSITHのようなものに近かったんだと思うんですよね。僕も僕のためにやってたと思うし。それで言うとDOGが変革していく中で、随分見ていなかった自分の内面みたいなところに目を向けてみたというか。当時はちょっと尖りすぎててできてなかったし、そもそも技術もなかったし。自分の内面を音楽にするときは、たぶん相当素直でいられないとダメだと思うんです。それってすごく難しいことだと思うけど、それがやっとできるような気分になってきたのかなとは思います。

――ミケさんは、今年で我が為が3周年を迎えますよね。改めて、自分自身の内面と外へ働きかけるものとのバランスを、今はどんなふうに感じていますか?

ミケ:どうして“我が為”っていうプロジェクト名をつけたのかっていう理由にも繋がるんですけど、自分が歌を歌ったり歌詞を書いたり曲を作るのはファンや誰かのためのものでもあって、バンド時代は特にそのことに対して何も疑問を抱かなかったんですよ。でも、ソロをやるにあたってもう一度考え直したときに、「誰かのためっていうのは結局自分のためなんだよな」って思ったんです。例えば、「ファンに今、これを伝えたい」って思って書いた歌詞って極論書かなくてもいいのに、「俺は書きたい、書かなきゃ嫌だ」っていう自分の欲を満たすためでもあって、どんなことでも結局自分のためにやってるんだっていうことに気づいたんですよね。だから“我が為”って言ってる通り、すべては自分のためなんですよ。

:「頑固だな~」って、話聞きながら思った(笑)。でも、「やりたくてやってんだろ」みたいなマインドっていうことじゃないですか。そういう気持ちをちゃんと持ってる人って、あんまりいないと思っていて。どのタイミングでそうなったんだろう?とは思うけど。もっとフワフワしてたのに……。

ミケ:そうね、もっとフワフワしてた。だから昔は「ファンのために作りました」ってそれ以上でも以下でもない気持ちで歌ってたけど、ソロになるときに「じゃあなんで歌うのか?」って自分に問いかけまくったんだよね。子どものころから歌が好きで歌いたかったからっていうことに対しても、じゃあどうして子どものころから歌いたかったのかって、自分に「なぜ」って問いかけまくって。それで、“我が為”っていうの理由が見つかって、それが基準にある感じ。そのタイミングから、いろんなことの理由を考えるようになったかな。すべての物事に理由があるって考えるようになったし。

:うん、もはや怖くて好きだわ!

ミケ:例えばYouTubeとかに過去のトークしてる様子があがってるのを見ても、「本当に何も考えてないな、コイツ!」って自分で思いますからね(笑)。どうして映像を撮るのかとか、どうやって映ってるのかとか、今だったらその理由がわかるんですよ。ソロをはじめて自分でいろいろ作戦を考えるときに、「だから事務所時代はこういうことをやってたんだ」とか理由が見えてくるんです。それもあって、物事の理由を探すようになったんですよね。

:当時も何も考えてないっていうことはなかったとは思うけど、大きく違うのは引っ張ってもらってる側のメンバーだったっていうことだと思うんだよね。

ミケ:そうだね。

:僕は引っ張ってもらえるようなタイプでもないし、人に引っ張られたことは人生で一度もないんだけど、その点でもミケの場合は引っ張ってもらう側も今自分で引っ張る側もどっちも経験できたのは羨ましいところでもある。

――本当に、今のお2人は同じベクトルで活動の舵取りをしているというのがわかります。

:うん。こういう関係性がずっと続いたらいいなって、同じ穴の狢の中で思える稀有な友人のうちの1人だから。自分と同じ熱量を持っての相思相愛ってあまりないと思うんだけど、ミケに対しては全く疑ってない。

――そもそも、立場が同じようになってからお互いに対する信頼度が高くなったのもあるとは思うんですけれど、お互いが心を開く明確なきっかけはあったんでしょうか?

:俺は、実は明確に1つあって。Blu-BiLLioNがまだ活動しているときに、ミケが歌詞の相談をしてくれたことがあったんですよ。僕の中で歌詞を書く作業っていうのはマジで大事なんですけど、それを僕に相談してくれたっていうタイミングかな。そのときにミケについて深く知ろうと思ったし、きちんと接しようと思った。

ミケ:あ~、そのタイミングなんだ。

:あと、共通でmagっていう好きピがいるんですけど……。

――magさん、愛されてるなぁ(笑)。

:magの人生について2人で話すことが増えたときに、どんどん同じ目線になっていったかもしれない。同じ対象に愛情を注ぐことが重なっていって、なんか兄弟みたいな気分になったというか。

ミケ:やっぱり人と仲良くなるきっかけって、共通の好きなものがあるっていうのが大きいと思うんですよね。例えばアニメとか、バンドでもそうだろうし。そこで仲良くなれるのって、同じものを好きになれる価値観が似てるからだと思うんですよね。それが俺と春の場合、レジレコの16人の中で「magのこういうところが良いよね」って同じ伝わり方で良さを共有できて、「俺と同じことを思えるっていうことは、春は良い奴だ」っていう風に思えた、始まりはそこかもしれないですね。

: 僕なんかより、よっぽど心開かないのはこっち(ミケ)ですからね!?

ミケ:俺は結構、人を疑ってかかるんで(笑)。

――正直ミケさんのパブリックイメージを考えると、その極度な慎重さは意外な部分でもあったんですよね。

ミケ:捉え方によってはネガティブに思われるかもしれないけど、基本的に人のことを信頼してないんですよ。もちろん自分のファンに対しては別ですけど、近づいてくる人の裏をかくというか、慎重なんです。とはいえ、その直感は8割ぐらい当たってると思うんですけどね。

:鼻が利くんですよ。

ミケ:これは自分が生きてきた中で備わってきた感性でもあって、もともと俺ってアトピーを持ってるんですけど、子どものころはそれが原因で陰口を言われたりしたんですよね。だから、「この人はこう思ってるんだろうな」とか「その目線は変な風に見てるな」とか、そういうことが人よりも敏感になっちゃってるというか。

:本当に厳しいんだから。でも僕がすごく嬉しいのは、ミケは僕を疑ってない! と、思う。

ミケ:それはホント。春のことはまったく疑ってない。

:結構疑われやすいタイプなんだけどね。なんなら、最近ミケから「オマエ、人にいいように使われないように気を付けろよ」ぐらい言われますからね。

ミケ:なんかね、家族思いすぎるんですよね。“すぎる”って悪いことではないんだけど、春は「俺が全員を幸せにする」って本当に思ってる人だから、それに付け入られるのは嫌だなと思って。

――そんな人付き合いに慎重なミケさんが信頼を越えた感情を春さんに向けられるというのは、いったい何がそうさせるんでしょう?

ミケ:今言った“家族思い”っていうところですね。「こんなに風に人を愛せるんだ」って、ビックリするくらいなんですよ。

:その愛情で言えば、ミケに対しても同じ愛情を向けてますね、ずっと。

ミケ:それを感じてるから俺も嬉しいし、好きだなと思えるんですよ。

:ミケは「メンバーでもないのに」とか「違うバンドなのに」っていう分け方をするんですよね、まぁそれが普通なんですけど。「でも、オマエはそういうのがない」っていうのはよく言われる。じゃあ、そういう隔てがない関係になったのは逆にいつなんだろう……? もう、よくわかんねぇや!(笑)

――きっと、「あのときこう接してくれたから」っていう断片的なことではなくて、継続的にそう感じられる生き方をしてきたからっていうのはあるんじゃないかと思いますけれどね。

:特に、僕はDOGの活休中に自分の今後の生き方についてマジで考えたんですよ。その考えたことの中には人間関係っていうのもあって、そのときに「自分の葬式に出てくれる、出てほしいと思える人だけは大事にしよう」って思ったんです。正直、それによって距離が生まれた友人もいれば、逆にものすごく近く家族のようになった友人もいるっていう感じ。

――その、今後の生き方を考える中で“ソロ活動”というものでお2人が交わる世界線が今あるわけですけれども。

:それで言えば、ミケには感化されましたよ。だって、バンドやればいいのに1人でやってるんだもん。でも、最初はそれに対して「なんで1人でやってんだろう?」ぐらいにしか思ってなかった。でも、諸事情あって1人でやってる場合とそうじゃない場合があると思うけど、ミケの場合は後者で、それがやりたかったことだったんですよね。そういうところからもどんどん理解が深まっていったし、そこから感化されたことはかなりあったと思う。

――ミケさんも、DOGの活休を通して春さんに対する気持ちをステージで伝えながら『ミラクルGO!』を歌ったり、我が為主催の共演時には同曲をリクエストしたりということもあって。きっと、同じヴォーカリストとしてその間に感じていたこともあったのではないかな?と。

ミケ:DOGの活休中にやった緩ちゃん(緩菜)のバースデーイベントのときに、『ミラクルGO!』を歌ったんですよね。“星のヒカリ 灯を頼りに キミのトコへ走りだせる”っていう、春が歌わないと成立しないような歌詞の曲を僕が歌って、でもそれは“代わり”でしかないから歌ってて俺も苦しくなったし、DOGのファンは優しいから「歌ってくれてありがとう」って思ってくれたかもしれないけど、正直複雑な心境だったと思うんですよ。そういうこともあって、活動再開してから春が歌うべき曲を春が歌うことに意味があるんだと改めて思えたところもありましたね。

――実際、我が為主催のときにそれぞれのステージでお互いのことに熱量を持って触れている様子を見たとき、春さんとミケさんは元レーベルメイトっていうだけに留まらない関係が築かれているんだなと思えた瞬間でもあったんですよ。

:そう。だからこの対談を読んでもらって、お互いのファンにもっと興味を持ってほしいなと思っていて。ミケは僕にとって大事な人だから、僕の女からしても大事な人であってほしい、みたいな感じ。逆に、ミケにとって僕は大事な人だから、ミケのファンの皆さんにも気に入ってもらいたい。お互いを特別に思ってもらえたらすごく嬉しいし、我が為とSITHのジョイントライブはそう思ってもらえるようなライブになったらいいなと思ってますね。ほら、基本的にヴォーカルって同じパートは一緒にバンドできないじゃないですか。そこは、ジョイントライブならではのことができると思うし。

ミケ:ちょうどこの間『蒼い春』のレコーディングをしたんですけど、今までセッションとかはあっても、同じ熱量で一緒に曲を作品にするっていうことは初めてで。俺と春は声質が違うっていうのが頭にあった中で歌ったけど、正直すごく声の混ざりが良かったんですよ。それに結構ビックリしたのもあって、それでジョイントライブができるっていうところですごく楽しみですね。俺らの世代だと、CHEMISTRYが浮かびますね(笑)。

:どっちがどっち?

ミケ:とりあえず俺、サングラス用意しておく!(笑)

:え、ミケもそっち!?(笑)じゃあ、ダブル川畑で。

――楽しみにしています(笑)。しかし“蒼い春”というのは、ストレートな意味合いとしても、2人を表すワードとしてもすごくしっくりくるなと、今日のお話を聞いていてすごく感じました。

ミケ:今回のライブも「これやったら楽しそうじゃない?」みたいなところからすべてが始まっているんで、本当にこの2人の生き方に合ってると思いますね。「これ、楽しそうだよね」っていう延長で音楽ができるのが一番だと思うし、それが一番自分らしく音楽できる方法だと思うから。

:まさに“青春”そのものがテーマになっていて。きっとこれを読んでる人にとっての“青春”って、過去に16人で過ごしていたときのこととか、それぞれのバンドやアーティストを好きで過ごしてきた今までの時間をそう捉える人が多いだろうなと勝手に思ってるんですけど、僕にとっては今が一番“青春”っぽい感じがしていて。これからの時間がさらに自分の“蒼い春”になっていけばいいと思うし、季節の春は年に必ず1回は来るのと同じでこれからも人生を謳歌していきながら、兄弟や仲間たちと「一緒に音楽をやる」っていうことで「青春だな」って思い続けることができるようなライブになったらいいなと思いますね。

Photo/大塚秀美(Hidemi Otsuka)
Interview/平井綾子(Ayako Hirai)

[LIVE情報]

SPRING IN THE HELL×我が為共同主催『蒼い春』

2025年2月16日(日) 吉祥寺SHUFFLE

1部JOINT LIVE[OPEN 13:30 / START 14:00]

2部2MAN LIVE[OPEN 18:30 / START 19:00]

【出演】

1部Vo:櫻井春,ミケ / Gt:村国貴裕 / Ba:パンチ丸 / Dr:Nosuke / Pf:青

2部-SPRING IN THE HELL-(Vo:櫻井春 / Gt:村国貴裕 / Ba:パンチ丸 / Dr:Nosuke / Pf:青)

-我が為-(Vo:ミケ / Gt:mag / DJ&Key:吉田雅 / Ba:パンチ丸 / Dr:Nosuke)

【チケット】

1部席あり自由

2部オールスタンディング

各部

・前売 ¥5,000(税込/D代別)

・当日 ¥6,000(税込/D代別)

※当日券の有無は当日の入場状況によります

受付ページ(A,B共通):

1部https://t.livepocket.jp/e/aoiharu_p1

2部https://t.livepocket.jp/e/aoiharu_p2

※入場順:Aチケット(A1~)→Bチケット(B1~)→当日券

【総合問い合わせ】

吉祥寺SHUFFLE TEL:0422-42-2223

【注意事項】

*会場ガイドライン変更に伴うキャパシティの変動もございますのでご了承ください

*公演の延期・中止の場合を除くいかなる場合も払い戻しは行いません

*チケットの不正取引や会場内・周辺での危険・迷惑行為を発見した場合

入場をお断りもしくは途中退場していただくことがございます

その際、チケットの払い戻し等は一切致しません

*チケット譲渡不可

*未就学児童入場不可