さまざまな技術を駆使した「超絶技巧」、日本の古典に登場する「道行」のスゴさを堪能してみる
「和歌」と聞くと、どことなく自分と縁遠い存在だと感じてしまう人もいるかもしれません。しかし、和歌はミュージカルにおける歌のような存在。何度か読み、うたってみて、和歌を「体に染み込ませ」ていくと、それまで無味乾燥だと感じていた古典文学が、彩り豊かなキラキラとした世界に変わりうる……能楽師の安田登氏はそんなふうに言います。安田氏の新著『「うた」で読む日本のすごい古典』から、そんな「和歌のマジック」についてご紹介していきます(第一〇回)。